情報技術マップ調査の概要

2016年6月24日公開 (2016年8月25日更新)
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1. 情報技術マップ調査の概要

(1) 情報技術マップ調査の目的

ITの世界では何らか革新的な性質を持つ新技術がビジネス環境を一変させるようなインパクトを何度となく引き起こしてきた。ユーザ企業はこれを認識しており、日々変化するビジネス環境への対応のためビジネスモデルや組織に関する見直しを行うのと同様に、自社の情報システムを技術動向に対応させ変容させる努力を続けている。このような状況においてITの技術動向は常にユーザ企業から高い注目を集めてきた。情報サービス事業者はユーザ企業の関心に呼応して技術動向を把握し、技術者育成や新サービスの事業化等による自社の技術ポートフォリオの再構築に取り組むことが求められる。そのためには自社や取引先の取り組み状況を見つめるだけではなく、業界としての動向を分析し自社と対比することによって俯瞰的かつ長期的な視点を持つことが必要となるだろう。情報技術マップはそのような目的意識を持つ企業を対象として情報サービス産業における技術動向を可視化するものである。
情報技術マップでは情報サービス事業者の現場技術者を対象として、システムインテグレーション(SI)要素技術への関心を調査している。本調査は2004年より毎年実施しており、技術者が現在どのような技術を利用しているか、どのような技術に関心を持っているかをアンケート調査の回答を通じて探ることで、個々の技術の成熟度や今後の取組みの方向性を明らかにすることが狙いである。その結果はおよそ10年に渡る技術動向の変化を経年で辿ることができ、情報サービス事業者におけるSI要素技術の流行を表している。また、こうした変化はユーザ企業におけるSI要素技術の導入意向や関心を反映していると考えられる。

(2) 調査対象となる技術の体系

「ITディレクトリ」とアンケート調査
技術の客観的な評価を行ううえで必要と考えられる要素技術をピックアップし、整理・体系化したものがITディレクトリである。
ITディレクトリは情報サービス産業の全体動向を網羅的に捉えるため14のカテゴリを設けている。各カテゴリを構成する技術は、主にハードウェア・ソフトウェア等の製品・サービスのようにシステムで直接的に利用されるものや、フレームワークや知識体系のように開発者が依拠する手法等からなる。いずれも実際にSIの場で利用できることを前提に、各カテゴリの技術領域で不可欠と思われる機能を網羅することを意識して選定している。なお、新しい技術が提供する機能によって以前の機能が市場で使われなくなった場合、古い技術はITディレクトリから除くこととしている。2014年度のITディレクトリは14のカテゴリ、合計121の技術によって構成されている(図表1)。
情報技術マップ調査ではITディレクトリの要素技術について、「既に使っているか(=SIに利用した実績がある:〈SI実績指数〉として数値化)」「今後新たに使いたいか(着手意向がある:〈着手意向指数〉として数値化)」を選択肢としてJISA会員企業に所属する技術者を対象にアンケート調査し、技術動向の把握や背景の考察を行っている。本年度は2014年11〜12月にJISA会員企業の技術者を対象としたWebアンケートを実施し、1675人から回答を得た。
図表 1 2014年度版ITディレクトリの構造

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資料:JISA「平成26年度情報サービス産業における情報技術マップに関する調査報告」

2. 情報技術マップに見る技術動向

(1)実績・着手意向が多い技術のトレンド

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